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2004/09/12

message.(改)

AUT_4430.JPG
 ハービー・山口さんの話は、軽いジョークで始まった。
「どうも、前座のハービーです。写真界の綾小路きみまろとも呼ばれてます(^_^)」

 風が強く、時折小雨の降る中、ハービーさんは講演会の開始時間に間に合わない方々を気遣い、軽妙な冗談話をはじめた。でもそれはすぐに、シームレスに本題につながっていった。
「僕は長いことこの業界で仕事してますが、やはり長く仕事を続ける人たちには特徴があるんですね。まず個性があること、次に人柄が良いこと、何よりあきらめずに続けること、そしてイケメンであること……僕のように(^_^;)」

 個性というのは、すでに誰もが持っているのに気がつかないだけ。それをいかに写真に反映するか、ということが大切なんだとハービーさんは語る。同時に、写すものと自分がどう関わっていくのかを考えることもとても重要だ、それで被写体の表面しか写らない写真に内面を表現できる、とも。
「僕の場合は例えば、原宿の同潤会アパートでした。懐かしくて平和な雰囲気のこの建物が取り壊されると聞いたとき、何を差し置いてもここのアパートを撮ろう……そう決心したんです」

 流行だから何となく、ではいけない。自分が好きなもの、憧れの存在、愛する人々への愛情を表現しなければ。自分のオリジナリティを最後まで信じて、自分の撮りたいものに出会ったときに腰をすえて向き合うことが大切なんだ、と話は続いた。
「ロンドンの地下鉄でパンクロックバンド『ザ・クラッシュ』のジョー・ストラマーに出会ったとき、僕は恐る恐る『写真をとっても良いですか?』と声をかけました。彼はこう答えてくれたんです−『撮りたいものは全て撮るんだ。それがパンクなんだ』と」

 ハービーさんは幼い頃から大病を患い、そのために友人も作れず孤独な青春期を送った。また、中学の時、ブラスバンド部に在籍したが途中で退部してしまい、あきらめてやめることの空しさも知った。しかし写真に出会い、ロンドンに向かい、今に至るまで続けていくことでそれらが克服できたという。
「この間、20代の頃のネガが見つかりましてね。ベタ焼き作って、時間があればプリントして写真展が開ければ、なんて考えているんです」

 話の合間に、スライドでハービーさんの作品が投影される。東欧、ロンドン、目黒、そして「代官山17番地」同潤会アパート……。時にジャズ、時に山崎まさよしの歌声に乗りながら流れる写真には、ハービーさんと心の通じた被写体の人々の自然な表情が定着されていた。
「僕は若いころ孤独でした。だからこそ今の若い人に昔の僕のような思いはさせたくないし、人々の飾らない笑顔・暖かな気持ちを写真に残したいんです」


 講演会の最初から懇親会の最後まで、ハービーさんは聴衆はもとよりスタッフの方々にも、とてもよく気を使われていました(スタッフB場さんとの掛け合いはとてもチャーミングでした!)。その姿勢は皆に伝わって、各所で話の輪が出来ていたのがとても印象的な講演会だったと思います。僕自身、ハービーさんにサインをいただいて少しお話が出来ましたし、持っていった自分のブックがきっかけで話をした方々、主催されたPHaT PHOTO編集部のM谷さんのおかげで顔を合わせられたwebつながりの方々など、とても嬉しく、励みに感じています。

 最後に改めて、講演会スタッフの皆様、参加者の皆様、お疲れ様でした。
 
 そしてハービーさんに……有難うございました!

(この記事は09/05にupしたものを元に、講演会内容を増補改定したものです)

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コメント

KODOKU WO KOKUFUKU SITA HITO WA SUGOI...
WATASI NANKA IMADANI KODOKU NI TORAWARETE IMASU.

Paco san , m... DE KIRIBAN DESITA.
NIKKI DE SYOUKAI SASETE ITADAKI MASITA.
SAKUJO WO GOKIBOU NO BAAI WA
OTESUU DESUGA OSIRASE KUDASAI.

投稿: 万里アンナ | 2004/09/12 22:42

万理アンナさん;ようこそいらっしゃいませm(_ _)m

苦労人の優しさ…というと陳腐に過ぎますが、
孤独に甘えず、苦労に身を寄せすぎず、飄々と・軽々としている、
そんなハービーさんを間近に見、声を聞けたのはとても良かったと思います。

mの件、全く構わないです。
というか切り番だったんすか! おぉぉー嬉すぃ!!

投稿: ぱこ<Paco> | 2004/09/12 23:31

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